chmodの数値(755 / 644)が一瞬で分かるようになる解説【Linux基礎・LinuC対策】




はじめに

Linuxを勉強していると、
ほぼ確実に出てくるのがこの数字。

755
644
777

chmodの説明で
「読み・書き・実行です」
と言われても、

  • なぜ755なのか

  • 644と何が違うのか

  • ファイルとディレクトリで同じでいいのか

ここがスッと理解できない人は多いです。

しかもこのあたり、
LinuC試験でも普通に出てくるうえに、
実務でも避けて通れません。

この記事では、

  • chmodの数値の意味

  • 755 / 644 がよく使われる理由

  • ファイルとディレクトリで考え方が違う点

  • デフォルト権限(umask)の話

を、暗記に頼らず理解できる形で解説します。


chmodの基本|そもそも何を制御しているのか

chmodは、**ファイルやディレクトリの権限(パーミッション)**を変更するコマンドです。

権限は次の3つで構成されています。

権限 意味
r 読み取り(read)
w 書き込み(write)
x 実行(execute)

そして、これを 3つの対象 に対して設定します。

対象 意味
所有者 ファイルを作ったユーザー
グループ 所有グループ
その他 それ以外のユーザー

数値表記(755 / 644)の正体

数値モードは、
r / w / x を数字に置き換えたものです。

権限 数値
r 4
w 2
x 1

これを足し算します。


755 の意味

7 5 5
対象 計算 意味
所有者 4+2+1 = 7 読み・書き・実行
グループ 4+1 = 5 読み・実行
その他 4+1 = 5 読み・実行

👉 実行可能なファイルやディレクトリによく使われます。


644 の意味

6 4 4
対象 計算 意味
所有者 4+2 = 6 読み・書き
グループ 4 読みのみ
その他 4 読みのみ

👉 通常のテキストファイルでよく使われます。


なぜファイルとディレクトリで考え方が違うのか

ここが 初心者が一番混乱しやすいポイントです。

ファイルの場合

権限 意味
r 中身を読める
w 中身を書き換えられる
x 実行できる

👉 普通のファイルは 実行しない ので
644 がデフォルトになりやすいです。


ディレクトリの場合

ディレクトリでは、意味が変わります。

権限 意味
r 中の一覧を見れる
w 中に作成・削除できる
x 中に入れる(cdできる)

重要なのは x(実行権限)

👉 ディレクトリに x がないと、
中に入ることすらできません

そのため、ディレクトリには

755

がよく使われます。


デフォルト権限が違う理由(umask)

Linuxでは、新しく作成されたファイルやディレクトリに
最初から決まった権限が付きます。

これは umask(ユーザーマスク) によって決まります。

一般的なumaskは

022

です。


ファイルのデフォルト権限

ファイルの最大権限は

666(rw-rw-rw-)

ここから umask(022)を引くと、

666 - 022 = 644

👉 だから ファイルは 644 がデフォルト


ディレクトリのデフォルト権限

ディレクトリの最大権限は

777(rwxrwxrwx)

ここから umask(022)を引くと、

777 - 022 = 755

👉 だから ディレクトリは 755 がデフォルト


注意点

777を使えばいいわけではない

「全部OKだから楽」という理由で
777 を使うのは 非推奨です。

  • 誰でも書き換え可能

  • セキュリティ的に危険

  • 実務では怒られがち

👉 必要な権限だけ付けるのが基本です。


数字は暗記しなくていい

  • r = 4

  • w = 2

  • x = 1

これだけ覚えておけば、
数字は その場で計算できます


まとめ

chmodの数値は、
慣れると「ただの足し算」です。

ポイントを整理すると、

  • 権限は r / w / x

  • 数値は 4 / 2 / 1

  • 755:実行可能・ディレクトリ向け

  • 644:通常ファイル向け

  • ファイルとディレクトリでは意味が違う

  • デフォルト権限は umask で決まる

LinuC試験対策としても、
実務の基礎としても、
必ず押さえておきたい内容なので、
ここでしっかり理解しておきましょう。

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